向日葵◇ひまわり
外界から遮断され、電気の明かりだけが皓々と点いている無菌室の中、

上半身を起こしベッドに寄りかかっているひまわりに、横に置かれた椅子に座っている洸が

「こうやって近くで話すの久々だな~
お互いマスクで顔半分隠れてるけど。」

「そうだね。」

ひまわりが言うと、お互い顔を見合わせて笑った。

「そうだ、これお守りの代わり。」

ひまわりに、小さな花柄の巾着を渡した。


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