向日葵◇ひまわり
ひまわりは
今、正に命を懸けた闘いをしていた。

その手には、しっかりとあの小さな花柄の巾着が、握られていた…。


無菌室のガラスに向かい
巾着を握りながら、俯いている洸に穏雅先生が

「ひまわりは入院してからずっとお前を信じて待っていた…。

今はお前がアイツの生きる力を信じて待つ時じゃないのか?」



その時
ひまわりに付けられていた心電図が異常を知らせ、けたたましく鳴り出した。


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