向日葵◇ひまわり
――――――――


洸は、組んだ手を俯いた顔の額に当て、きつく目を閉じたまま
身動き一つせず椅子に座っていた。

でも身体は小刻みに震えて止まらない

ひまわりに向けていた励まし、強気な言葉は
本当は、自分へのものだった…

誰よりひまわりを失うことを恐れているのは…
俺…

ひまわり…、ひまわり…


無菌室のカーテンが閉められてから、
どのくらいの時間が経っただろう…

シャッ!

カーテンが開けられ
出てきた先生に洸が
駆け寄った。


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