向日葵◇ひまわり
洸は静かにベッド脇の椅子に腰を下ろし、

「ひまわりの命を救ったのは、ほかの誰でもない、お前の父親だ。

確率は数%と言われていたが、俺は僅かでも可能性があるならと、
ひまわりのお父さんを探し出した。

見事HLAが一致して、
お前は移植を受け、
今こうして此所にいる。

これは神様が、二人に出来た溝を埋めて行くきっかけを、作ってくれたんだと思った。」

少し微笑んで、ひまわりの手をそっと握った。


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