向日葵◇ひまわり
――――――
……あの日、


「何故お前が死ななかったんだ」

そう言い放って、病院を後にした父親は、
静を失った現実を受け入れられず、自分の放った言葉の罪の重さも分からず、
何時しか降り出していた雨の中を彷徨っていた…


どこをどう歩いたのか、気が付いたら自分の会社にいた。


習慣とは恐ろしいもので、頭が真っ白で何も考えられないはずなのに、
誰もいない会社で溜まった仕事を、機械の様に淡々とこなしている…。


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