向日葵◇ひまわり
二人は照れ笑いしながら

「タケ兄達待ちくたびれてるかも。」

ひまわりが言うと、

「そうだな、行くか。」

病室を後にした二人の手はしっかりと繋がれていた。


入口近くに止めた白い車のドアに、穏雅先生が腕を組んで凭れていた。


大分待たせてしまったのに、少し笑みを浮かべ、ただ

「早く乗れ。」

とだけ言って、運転席に乗り込んだ。


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