獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
「カイル様……」
立ち上がると同時に、アメリは駆け寄って来たカイルにきつく抱きしめられる。
カイルの体からは、血と砂埃の匂いがした。帰還するなり、真っ先にこの部屋に駆け付けたのだろう。
「ずっと、信じてお待ちしておりました……。他の騎士達も、無事なのですか?」
「無事だ。今頃、遅れて城に着いている頃だ。お前に早く会いたくて、俺だけ先に馬を走らせたからな」
「……ヴァンも?」
「問題ない。今は、他の男の名前など口にするな」
カイルは忌々しげに舌打ちをすると、すぐさま唇でアメリの口を封じた。
全てを奪いつくすような情熱的なキスに、アメリの体から力が抜けていく。
無我夢中で唇を求めながらカイルは器用に甲冑を外すと、アメリをベッドに押し倒した。
アメリを見下ろす天色の瞳に、余裕などなかった。
自分を欲して止まない切実な眼差しに、アメリの胸に痛いほどの愛おしさが込み上げる。
鎖帷子をドサリと床に脱ぎ捨てると、黒のシャツ姿のカイルは、アメリの髪を優しく撫でながら「いいか?」と救いを乞うように問うてくる。
「……はい」
手を伸ばし、彼の要求に応えるように頬を撫でれば、すぐにまた唇が重なった。
立ち上がると同時に、アメリは駆け寄って来たカイルにきつく抱きしめられる。
カイルの体からは、血と砂埃の匂いがした。帰還するなり、真っ先にこの部屋に駆け付けたのだろう。
「ずっと、信じてお待ちしておりました……。他の騎士達も、無事なのですか?」
「無事だ。今頃、遅れて城に着いている頃だ。お前に早く会いたくて、俺だけ先に馬を走らせたからな」
「……ヴァンも?」
「問題ない。今は、他の男の名前など口にするな」
カイルは忌々しげに舌打ちをすると、すぐさま唇でアメリの口を封じた。
全てを奪いつくすような情熱的なキスに、アメリの体から力が抜けていく。
無我夢中で唇を求めながらカイルは器用に甲冑を外すと、アメリをベッドに押し倒した。
アメリを見下ろす天色の瞳に、余裕などなかった。
自分を欲して止まない切実な眼差しに、アメリの胸に痛いほどの愛おしさが込み上げる。
鎖帷子をドサリと床に脱ぎ捨てると、黒のシャツ姿のカイルは、アメリの髪を優しく撫でながら「いいか?」と救いを乞うように問うてくる。
「……はい」
手を伸ばし、彼の要求に応えるように頬を撫でれば、すぐにまた唇が重なった。