獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
第八章 カイルの戴冠
◇
「カイル殿下……!」
カイルとアメリが寝室に籠って三日目の昼過ぎのことだった。
ノックもそこそこに王の側近が寝室に駆け込んで来たため、アメリは慌ててあられもないわが身をシーツで隠した。
「何だ?」
ベッドに腰かけ、苛立ったようにカイルが問う。
王の側近は目に見えて青ざめており、全身を小刻みに震わせていた。
その姿に、ただごとではない気配を感じ取ったのだろう。カイルは上半身裸のまま立ち上がると、震える側近の肩を激しく揺さぶる。
「……何があった? 早く言え!」
アメリもシーツを体に巻き付け、そろりと起き上がった。いまだかつてないほどに、胸騒ぎがする。
「へ、陛下が……」
ガクガクと顎を動かしながら、側近はようやく口を開く。目の焦点は合っておらず、額からは汗が噴き出ていた。
「先ほど、お亡くなりになりました……」
「カイル殿下……!」
カイルとアメリが寝室に籠って三日目の昼過ぎのことだった。
ノックもそこそこに王の側近が寝室に駆け込んで来たため、アメリは慌ててあられもないわが身をシーツで隠した。
「何だ?」
ベッドに腰かけ、苛立ったようにカイルが問う。
王の側近は目に見えて青ざめており、全身を小刻みに震わせていた。
その姿に、ただごとではない気配を感じ取ったのだろう。カイルは上半身裸のまま立ち上がると、震える側近の肩を激しく揺さぶる。
「……何があった? 早く言え!」
アメリもシーツを体に巻き付け、そろりと起き上がった。いまだかつてないほどに、胸騒ぎがする。
「へ、陛下が……」
ガクガクと顎を動かしながら、側近はようやく口を開く。目の焦点は合っておらず、額からは汗が噴き出ていた。
「先ほど、お亡くなりになりました……」