獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
カイルはしばらくの間、揺らぎのないアメリのエメラルドグリーンの瞳に魅せられていた。
けれどもやがて、天色の瞳をそっと細めてみせる。
「そうだな。もともと、俺には何もない。だが今の俺にはお前がいる。それならば、お前に全てを懸けよう」
そしてアメリの白い掌に、愛しげに何度も唇を寄せるのだった。
王となったカイルは、まず古参者以外の城で働く人間を、問答無用で全員解雇にした。
自分が留守にしている間、ハイデル公国の間者からアメリの身を護るためである。
新たな召使いを大量に雇い入れることになり、王城内はにわかに慌ただしくなった。
そしてカイルの戴冠式からわずか三日後、カイルはこの国の平和を勝ち取るために、騎士団を引き連れて未開の地ラオネスクへと旅立って行ったのである。
けれどもやがて、天色の瞳をそっと細めてみせる。
「そうだな。もともと、俺には何もない。だが今の俺にはお前がいる。それならば、お前に全てを懸けよう」
そしてアメリの白い掌に、愛しげに何度も唇を寄せるのだった。
王となったカイルは、まず古参者以外の城で働く人間を、問答無用で全員解雇にした。
自分が留守にしている間、ハイデル公国の間者からアメリの身を護るためである。
新たな召使いを大量に雇い入れることになり、王城内はにわかに慌ただしくなった。
そしてカイルの戴冠式からわずか三日後、カイルはこの国の平和を勝ち取るために、騎士団を引き連れて未開の地ラオネスクへと旅立って行ったのである。