獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
「アメリ様、いつでも俺達を頼ってください。アメリ様のためなら、いくらでも力をお貸しします」
「そうです。そしてもしもこの城が戦火に巻き込まれた時は、我々一同であなたを守ります。だから、ご安心ください」
騎士達のもとに戻ると、ブランとカールは別れ際にアメリに力強く声をかけてきた。
(戦火に巻き込まれた時……?)
何げないカールの一言に、アメリはハッとする。それほどに、戦争は差し迫っているのだ。
「ありがとう。カール、ブラン」
不安を覚えながらも、休憩時間を割いてまでアメリを手伝ってくれた二人に、微笑を向ける。すると若き騎士達は、ほんのりと顔を赤くして照れたように笑った。
その時だった。
ぬらりと、向かい合う三人のもとに人影が差す。
「俺の剣がもう少し長ければ、お前ら二人の首をいっぺんに串刺しにしてやったのにな」
いつの間にか鎧兜を被ったカイルが真横にいて、腰に差した剣に手を添えている。
カイルの物騒な物言いに、直前まで紅潮していたカールとブランの顔が一気に青ざめた。
「お前ら、練習はもう再開してるぞ? 気づいてないのか? それとも、俺に首をはねられたくてわざとそうしているのか?」
「もっ、申し訳ございません……!」
カイルの悪口を言っていた時の威勢はどこへやら、二人は大仰に頭を下げると、逃げるように訓練中の騎士達の輪に戻って行く。
「そうです。そしてもしもこの城が戦火に巻き込まれた時は、我々一同であなたを守ります。だから、ご安心ください」
騎士達のもとに戻ると、ブランとカールは別れ際にアメリに力強く声をかけてきた。
(戦火に巻き込まれた時……?)
何げないカールの一言に、アメリはハッとする。それほどに、戦争は差し迫っているのだ。
「ありがとう。カール、ブラン」
不安を覚えながらも、休憩時間を割いてまでアメリを手伝ってくれた二人に、微笑を向ける。すると若き騎士達は、ほんのりと顔を赤くして照れたように笑った。
その時だった。
ぬらりと、向かい合う三人のもとに人影が差す。
「俺の剣がもう少し長ければ、お前ら二人の首をいっぺんに串刺しにしてやったのにな」
いつの間にか鎧兜を被ったカイルが真横にいて、腰に差した剣に手を添えている。
カイルの物騒な物言いに、直前まで紅潮していたカールとブランの顔が一気に青ざめた。
「お前ら、練習はもう再開してるぞ? 気づいてないのか? それとも、俺に首をはねられたくてわざとそうしているのか?」
「もっ、申し訳ございません……!」
カイルの悪口を言っていた時の威勢はどこへやら、二人は大仰に頭を下げると、逃げるように訓練中の騎士達の輪に戻って行く。