獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
噴水に取り残されたアメリは、一人混乱していた。


優しいカイルと、冷たいカイル。どちらが本当の彼なのか、全く分からない。


カイルは、やはりアメリの存在を快くは思っていないようだ。


それなのに、どうして先ほどあんな優しいキスをしてきたのか。





「わけが分からないわ……」


ただ一つ確かなのは、カイルがアメリを必要としていないということだけだ。


それが、今すぐまた泣き出したいほどに辛い。


今まではなかった痛みが、アメリの胸をきりきりと締め付けていた。
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