獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
無意識のうちに、アメリは右手の薬指につけた指輪を撫でていた。
金よりも少し淡い不思議な色合いのガラス玉のはめ込まれたその指輪は、ガラス職人だった母の形見だ。
金糸雀色<カナリアイロ>。母はその色を、そう呼んだ。
遠い南の国の出身であるアメリの母は、ロイセン王国にはない不思議な色をたくさん知っていた。その国は染料技術がかなり進んでいて、母は多種多様な色の抽出の仕方を教えてくれた。
珊瑚色、若草色、空色、菫色、そして金糸雀色。
植物から色とりどりの色が作り出される様は、魔法のようだった。母の指先にかかれば、どんなガラスも色鮮やかに染まる。そして太陽光を浴びるなり、色付いたガラスは天にも届くような眩い光沢を放つのだ。
アメリは目を閉じガラス玉の感触に心を委ね、どうにか不安を沈めようとするのだった。
金よりも少し淡い不思議な色合いのガラス玉のはめ込まれたその指輪は、ガラス職人だった母の形見だ。
金糸雀色<カナリアイロ>。母はその色を、そう呼んだ。
遠い南の国の出身であるアメリの母は、ロイセン王国にはない不思議な色をたくさん知っていた。その国は染料技術がかなり進んでいて、母は多種多様な色の抽出の仕方を教えてくれた。
珊瑚色、若草色、空色、菫色、そして金糸雀色。
植物から色とりどりの色が作り出される様は、魔法のようだった。母の指先にかかれば、どんなガラスも色鮮やかに染まる。そして太陽光を浴びるなり、色付いたガラスは天にも届くような眩い光沢を放つのだ。
アメリは目を閉じガラス玉の感触に心を委ね、どうにか不安を沈めようとするのだった。