獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
涙を滲ますアメリに、アレクは決意を固めたような声音で言った。
「僕は、王太子様はあなたを好きなのだと思っていました」
「それは違うわ、アレク。好きならば、私を追い出したりはしないでしょう」
「……でも、本で読んだことがあるのです。大人の男の人は、好きな女の人に贈り物をするって。僕は、王太子様の命令であなたに贈るドレスを注文しに行かされたから、てっきりそうなのだと思っていました」
その瞬間、アレクの顔を覗き込んでいたアメリの表情が固まった。
(今、何て……)
「青いドレスにするのだと言って、細かなデザインの書かれた本まで渡されて……。ああ、言ってしまった。殺される……」
青ざめた顔で、アレクは口もとをふごふごと両手でおさえた。
「僕は、王太子様はあなたを好きなのだと思っていました」
「それは違うわ、アレク。好きならば、私を追い出したりはしないでしょう」
「……でも、本で読んだことがあるのです。大人の男の人は、好きな女の人に贈り物をするって。僕は、王太子様の命令であなたに贈るドレスを注文しに行かされたから、てっきりそうなのだと思っていました」
その瞬間、アレクの顔を覗き込んでいたアメリの表情が固まった。
(今、何て……)
「青いドレスにするのだと言って、細かなデザインの書かれた本まで渡されて……。ああ、言ってしまった。殺される……」
青ざめた顔で、アレクは口もとをふごふごと両手でおさえた。