世界を変えられないけれど。
 ひらひらと、羽根が舞い落ちる。

 傷ついた、その男の肩に、羽根は、そっと舞い降りる。


 傷ついた兵士は、そっと見上げて、首をかしげる。


 戦場は広く、もはや人の影はない。


 ただ、朽ちゆく武器の欠片が  炎を映して輝き、光る。


 陽は、もうさしてはこない。

 巻き上がった砂煙は、とっくに太陽を覆い隠している。



 
 彼女は、もう一度ため息をついた。
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