雪と制服とジャージ
チョコ、どうする?
「うーん……」

とある近所のコンビニにて。

煌びやかでピンクでスイートなコーナーで一人、じいっと立ち尽くす。
目の前に、色とりどりのチョコのパッケージが並んでいて目移りする。

……先生にバレンタインチョコ……。
渡したら、貰ってくれるのかな?

一番手前にある、このダークブルーのシンプルな包装の生チョコが先生のイメージにピッタリで、買って帰ろうか迷う。

秋の雨の日、先生の家で起こった、ちょっとしたハプニングから数ヶ月経った。

学校で先生と顔を合わせると、先生は普通に話しかけてきたり、話しかけてこなかったり。

本当に、何もなかったと思うぐらい、普通に話しかけてくる。

学校はすでに自由登校期間で、卒業式を目前に迎えていて、最近は顔を合わせることすらない。

お陰様で(?)、大学も受かり、春からは大学生になる。

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