雪と制服とジャージ
おばあちゃんの知恵みたい……。

先生の話にくすりと笑っていると、先生が足を組み替えて、チェアがギィと軋んだ。

「先生はいつもこんな早くに来てるんですか?」
「いや、今日は見回り当番」

そんなのあるんだ。私がいたら、先生何にもできないよね……。

湯呑みがテーブルに二つ並んで、あたたかな湯気が立っているのが目に映る。
雪は止まない。


「……チョコ食いてーんだけど、一緒に食う?」
「えっと、じゃあ、いただきます」

私があげたチョコを膝の上で開封する先生。
どうやら、甘いものは好きそうだ。
そんなことも知らなかったから、新鮮な発見をした気分だ。

「何見てる?」

知らず知らずのうちにじっと見ていたらしく、先生が訝しむように尋ねてきた。
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