雪と制服とジャージ
「あの、チョコお好きでよかったなって……私、先生のこと何にも知らないから……」
「好きだよ」

即答され、チョコのことだというのに、赤面してしまった。
好きなのはチョコだってば!

「お前さ。何も知らねえのに、何で俺のこと好きなの」

直球が飛んできて、少しフリーズ。
でも先生の瞳が真っ直ぐだから、隠さずに打ち明けた。

「前から……すごくいいなあと思っていて、雨の日に風邪ひかさないようにしてくれたこととか、もっと好きになっちゃったんです」

「……ふーん。へえ」

照れているのか、引いているのか、そんな返事しかくれなくて。
私も、同じこと聞いてもいいのかな……?

「……先生は、何で私のこと……」
「全力で色仕掛けしてきた奴は初めてで、びっくりしたんだよ」
「え」
「…………びっくりして、気になって仕方なくなってる」

またチェアが軋む。今度は私が動いたせいだ。
先生の大きな体にぴたりと寄り添い、ベルトのあたりに腕を回して、ぎゅうとしがみついた。
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