雪と制服とジャージ
ぎゅうっと腕をつかむと、先生は熱い吐息を吐きながら体を起こす。
私は臙脂色のチェアの上に横たわって、置いてきぼり。

「……やべ。また、巻き込まれるところだった」

先生は剥き出しになった私の肌を隠す様に、ぐいぐいとめくれた制服を引っ張り下げる。
そしてテーブルの上の湯のみを取り、ずずずと啜る。

え……も、もう終わり……?
キスされた時から、今日ここでオトナになる覚悟もしてたのにーっ!

「物足りねえ顔してるな」

湯のみをテーブルに置きながら、先生はふうっと溜息をついた。

「……だって、先生が……」
「俺? お前が誘うから……って、俺が言うと大人げねーか」

少年のような瞳でくっと笑う先生は、物足りなさも挽回するぐらいかわいい。
ずるいよ。私は、ドキドキさせられてばかり……。


先生が、俯いている私の手を握る。

「恥ずかしい……」
「さっきしてたことのほうが恥ずかしくないのか?」

そうですけど、と続けようとしたら、キスで塞がれた。
先生の胸にそっと手を当てると、私と同じぐらいドキドキしている。
< 13 / 15 >

この作品をシェア

pagetop