能ある狼は牙を隠す
*
一体、今日で何日目だろうか。
朝から曇っていた空は、次第に雨粒を落として地面の色を変えていった。
机の上に乱雑に置いていたノートを手に取る。
羊ちゃんは、ちゃんと勉強できているだろうか。
また凡ミスをして答えが合わないと嘆いていないだろうか。
隙さえあればそんなことが頭に浮かぶ。
「おーい、玄」
今日も例によって、岬がやって来たようだ。
こいつも、よくまあ毎日訪ねてくるものだと感心する。
「いつまでそうしてんの。今週も明日で終わりだけど」
そう言われた瞬間、ようやく息をしっかり吸えた気がした。
気が付くと俺はドアを開けていて、目を見開く岬に問いかける。
「今日って、何曜日」
端的にそれだけ聞いた俺に、岬は瞬きを繰り返して「木曜日だけど」と首を傾げた。
その答えを耳に入れるや否や、時計を確認してから制服に腕を通す。
「ちょ、ちょちょ……! 何、どこ行くの?」
慌て出した岬に、俺はネクタイを適当に締めながら返した。
「どこって、学校」
「は? 今から? 何で?」
「委員会」
一体、今日で何日目だろうか。
朝から曇っていた空は、次第に雨粒を落として地面の色を変えていった。
机の上に乱雑に置いていたノートを手に取る。
羊ちゃんは、ちゃんと勉強できているだろうか。
また凡ミスをして答えが合わないと嘆いていないだろうか。
隙さえあればそんなことが頭に浮かぶ。
「おーい、玄」
今日も例によって、岬がやって来たようだ。
こいつも、よくまあ毎日訪ねてくるものだと感心する。
「いつまでそうしてんの。今週も明日で終わりだけど」
そう言われた瞬間、ようやく息をしっかり吸えた気がした。
気が付くと俺はドアを開けていて、目を見開く岬に問いかける。
「今日って、何曜日」
端的にそれだけ聞いた俺に、岬は瞬きを繰り返して「木曜日だけど」と首を傾げた。
その答えを耳に入れるや否や、時計を確認してから制服に腕を通す。
「ちょ、ちょちょ……! 何、どこ行くの?」
慌て出した岬に、俺はネクタイを適当に締めながら返した。
「どこって、学校」
「は? 今から? 何で?」
「委員会」