能ある狼は牙を隠す
独立不羈
何やってるんだろう、私は。
自分の部屋のベッドに身を投げ出して、天井を眺める。
純粋に肉体的な疲労もあって、荷解きの後、昨日はすぐに寝てしまった。
今日は金曜日。来週の月曜日も私たち二年生は休みになっている。つまり、四連休だ。
みんなに随分迷惑をかけてしまった。気を遣って何も聞いてこないのは伝わってきたし、私自身、どうしたらいいか分からなかった。
あの時、どうしてあんなに泣いてしまったのかも今となってはよく思い出せない。ただ漠然と大きな不安が胸を突いて、すごく悲しかったのだ。
「……はあ」
とにかく自己嫌悪。友達もそうだし、何より玄くんを傷つけた。
あんなに私のことを想ってくれていたのに、私はそれを仇で返してしまった。
でも、どうしても譲れないことがある。
『走んなくても、急がなくてもいいんだよ。いくらでも待つ。来てくれたのが嬉しい』
『羊ちゃんが食べたいの二つ頼んでいいよ。俺は別に何でも大丈夫だから』
『うん。でもこれからずっと一緒にいるんだし、どうせだったら羊ちゃんの好きな外見の方がいいよね?』