君と笑顔の日
やがてパレードはこちらまで到着し、更に進んでいく。
確かに全く問題なく、座りながらこんなに視界よく見てもいいものだろうかと思えるくらいのスポットだ。
陽奈子もとびきりのキラキラスマイルでキャラクターに手を振り、手にしているカメラで一生懸命写真を撮っている。
僕は7割キャラクターを見ながら、残りの3割は陽奈子を見ながら。
キラキラした陽奈子を見ると、“小器用に”生きているらしい僕も、生きる希望が湧いたりする。
陽奈子はどこまでも前向きで、この3年間で幾度となく救われた。
就活で実はうまく行かなかったときも、なんでもないふりをしながら落ち込んだし、陽奈子はそれを見抜いて落ち込ませるだけ落ち込ませてくれた。
下手に頑張れと声を掛けられるよりも、自然体の陽奈子でいてくれたからよっぽど前を向けた。
パレードを見送り、テラスのお客さんたちも動き出そうとしている。
僕たちは次のアトラクションの時間にまだ余裕があって、ご飯のあとは夜に行われるショーの抽選に行くらしい。
「パレードやっぱり可愛かった〜。何回見ても可愛い。……それにしても、お腹いっぱいになっちゃったなぁ。学くん、これちょっと貰ってよ」
セットで頼んでいたポテトをそっと差し出してきて、僕は遠慮なくそれを頂く。
間食をそれほどしているわけでもないのに、最近はすぐに満腹になるんだよな、と陽奈子が呟きながら行動の行方を考えている。
やがて僕たちも食事を終えて動き出す。
人の波に乗って目指すアトラクションへの道は10分少々だけれど、整備された花壇や作り込まれた映画のような世界には圧倒される。陽奈子は度々立ち止まっては風景写真を撮ったりしている。
「すみませーん」
「はい?」
「写真撮ってもらえますかー?」
「いいですよ」
と、カメラを受け取って構えたものの扱い方がよくわからなくて慌てる。
けれど、すぐにそれに気づいた陽奈子がさっと変わってくれた。さすが、慣れてる。
「はい、チーズ!もう一枚撮っておきますね〜。ハイ、撮りまーす」
「ありがとうございますー」
「写真確認してくださいね」
「あ、大丈夫そうです!ありがとうございます。お姉さんたちも良かったら撮りましょうか?」
写真を確認してもらったあとそう言われて、お願いする。
僕らは自分達を写真に収めるような習慣はあまり無かったから新鮮な気持ちだ。なんて、呑気にしていたら背後に気配があって振り向くと、驚いたことにリスのキャラクターが立っていた。
どうやら一緒に画角に収まろうとしているらしく、ポーズをとっている。
奇しくもそれは陽奈子の一番のお気に入りのキャラクターで、びっくりしながら大はしゃぎしている。
キャラクターと戯れたあとは、すかさず先程の子たちと交代して写真を撮りあっていた。
確かに全く問題なく、座りながらこんなに視界よく見てもいいものだろうかと思えるくらいのスポットだ。
陽奈子もとびきりのキラキラスマイルでキャラクターに手を振り、手にしているカメラで一生懸命写真を撮っている。
僕は7割キャラクターを見ながら、残りの3割は陽奈子を見ながら。
キラキラした陽奈子を見ると、“小器用に”生きているらしい僕も、生きる希望が湧いたりする。
陽奈子はどこまでも前向きで、この3年間で幾度となく救われた。
就活で実はうまく行かなかったときも、なんでもないふりをしながら落ち込んだし、陽奈子はそれを見抜いて落ち込ませるだけ落ち込ませてくれた。
下手に頑張れと声を掛けられるよりも、自然体の陽奈子でいてくれたからよっぽど前を向けた。
パレードを見送り、テラスのお客さんたちも動き出そうとしている。
僕たちは次のアトラクションの時間にまだ余裕があって、ご飯のあとは夜に行われるショーの抽選に行くらしい。
「パレードやっぱり可愛かった〜。何回見ても可愛い。……それにしても、お腹いっぱいになっちゃったなぁ。学くん、これちょっと貰ってよ」
セットで頼んでいたポテトをそっと差し出してきて、僕は遠慮なくそれを頂く。
間食をそれほどしているわけでもないのに、最近はすぐに満腹になるんだよな、と陽奈子が呟きながら行動の行方を考えている。
やがて僕たちも食事を終えて動き出す。
人の波に乗って目指すアトラクションへの道は10分少々だけれど、整備された花壇や作り込まれた映画のような世界には圧倒される。陽奈子は度々立ち止まっては風景写真を撮ったりしている。
「すみませーん」
「はい?」
「写真撮ってもらえますかー?」
「いいですよ」
と、カメラを受け取って構えたものの扱い方がよくわからなくて慌てる。
けれど、すぐにそれに気づいた陽奈子がさっと変わってくれた。さすが、慣れてる。
「はい、チーズ!もう一枚撮っておきますね〜。ハイ、撮りまーす」
「ありがとうございますー」
「写真確認してくださいね」
「あ、大丈夫そうです!ありがとうございます。お姉さんたちも良かったら撮りましょうか?」
写真を確認してもらったあとそう言われて、お願いする。
僕らは自分達を写真に収めるような習慣はあまり無かったから新鮮な気持ちだ。なんて、呑気にしていたら背後に気配があって振り向くと、驚いたことにリスのキャラクターが立っていた。
どうやら一緒に画角に収まろうとしているらしく、ポーズをとっている。
奇しくもそれは陽奈子の一番のお気に入りのキャラクターで、びっくりしながら大はしゃぎしている。
キャラクターと戯れたあとは、すかさず先程の子たちと交代して写真を撮りあっていた。