恋と、キスと、煙草の香り。





「……ん…?」

私は何かの音に反応し、目を覚ます。
頭がぼーっとする。
身体が重い。

意識は取り戻したものの、自分がどこにいるのか把握するのに時間がかかった。

しばらくして自分の状態を把握する。
ベッドの上に寝ているが、ここが自分の部屋ではないことに気づく。

ここはどこ?
私はゆっくりと起き上がろうとする。

「気がついたか」

壁の向こう側から、顔をだしたのは新だった。

「…新?」

新の姿を見てベッドからおりようとしたが、身体が重くてバランスを崩す。

「寝てろ。すごい熱だから」

「ねつ…?」

横を向くと、私の額からタオルが落ちてくる。
そのタオルは濡れていた。
新が頭に乗せてくれていたのかな。

「ここ…どこ?」

私は彼に尋ねる。
すると彼は私が寝るベッドの上に座る。
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