恋と、キスと、煙草の香り。
「環、俺のものになって」



私はこの日、新と一夜を共にした。
カーテンの隙間から朝日が漏れ始めるまで、私たちは身体を重ねた。

私、いつ眠ったのだろう。
目を覚ましたら彼の寝顔が隣にあった。
初めて見た彼の寝顔が愛しくて、そっと彼の頬に触れた。


このときから私は、彼に溺れ始めた。
泥沼へ足を踏み入れた瞬間だった。
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