恋と、キスと、煙草の香り。
それから私は、新と会う回数が少しずつ増えていった。
私から電話をかけたときはほとんど出ないのに、彼の方は連絡もなしに突然現れて、私をバイクの後ろに乗せて連れていく。
連れていかれるのは毎回ホテルで、着いたらすぐにベッドで抱き合い、朝まで過ごす。
彼はまるで台風のように突然現れてはすぐに去っていく。
次に会えるのは明日なのか、明後日なのか、一週間後なのか…
そんな日々が3ヶ月続いた。
何度も会っているのに彼が何者なのか、どんな仕事をしているか未だに知らない。
会うたびに気になってはいるものの、ずっと聞けずにいる。
私は新のことが好き。
新は…私のこと、好き…?
会いたい気持ちは日に日に募る。
私は携帯の画面に新の携帯番号を表示させ、
発信ボタンを押そうとして思いとどまる。
きっと新は出ない。
画面を閉じ、携帯をベッドに放り投げる。
新…会いたい。