恋と、キスと、煙草の香り。
ラブホテルの部屋のベッドに彼女を寝かせた俺は、ベッド脇に座り、環の額に濡らしたタオルを乗せる。

身体からじんわり汗が滲んでいて、触れたらかなり熱くなっていた。
熱にうなされる彼女は普段よりも一段と色気が増している。

全部服を脱がせて、着替えさせたほうがいいのか?
でも勝手に脱がせてもいいものなのか…?
いやいや、まずいだろ。
でもすげえ苦しそうだし、脱がせたほうが…

しばらく躊躇ったあと意を決して布団をめくると、彼女の上半身が露になる。
身に付けている白のブラウスは汗ばんだ肌に張りついていて、胸の膨らみが一段と強調されていた。

それを見て自分の顔が熱くなっていくのがわかり、布団を再び被せて彼女の身体から目を逸らす。

駄目だ、これはやばい。

自分を落ち着かせるために煙草をとり出し火をつける。
煙を吐き出し、落ち着こうとするがさっきの彼女の姿が頭にこびりついて離れない。

顔洗って頭冷やそう。
ベッドから立ちあがり、手洗い場の冷たい水で顔を洗って鏡に目をやる。
< 88 / 107 >

この作品をシェア

pagetop