恋と、キスと、煙草の香り。
環…!

俺はすぐに環の電話にかけるが、ずっと不在着信で一向に出ない。

俺が会いに行くのを察して、あの男は環を絶対自由にしていない。
そうなると…携帯も取り上げられて、どこかに監禁されているのか?

環を助けるにはどうしたらいいんだ…!





それから5日間、あのコンビニで待ち伏せしたり、携帯にかけ続けたり、携帯のGPSを確認したり、あらゆる手段を使っても環の居場所は掴めなかった。

環の会社に行って、小松原颯を捕まえて居場所を吐かせるのが一番早いと考えて、会社近くで待ち伏せをしたが、一度も姿を現さなかった。

出勤しているはずなのに。
俺が会いにくるのを察して避けているのか?

くそっ…手がかりがない!

俺は自分のアパートの部屋で絶望した。

本当は環自身が小松原のもとへ戻ろうと考えたのかもしれない。
一向に電話が繋がらないのも、環の目が覚めて俺と終わりにしようと考えたのかもしれない。
前科もちで貧乏な俺なんかより、クズだが金があって将来が約束されている小松原のほうが、環は幸せに暮らせるか。

もう、諦めようか。
そう思ったときだった。
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