甘いキミの誘惑
「ふーん、なるほどな」
「今日しかないかなって…」
こんないい日滅多にない。
まあ、もう放課後なんですけどね…。
「なんで手紙なん?」
「うっ…言われると思った…」
しっかりはっきりしたみよっちゃんなら、絶対に手紙じゃなくちゃんと口で告白した方がいいと言われるような気はしてた。
だから今日告白することを大好きなみよっちゃんにも秘密にしていたのだ。
しかし、私にだって言い分がある。
「だって…あの田中くんだよ?」
「うん」
「告白してきた女の子を即答で振って、今まで誰も告白成功したことのない田中くんだよ?」
そう、そうなんです。
私の一世一代の告白相手の田中くん。
クラスは別だけど、1年の時から噂になっていた。
柔らかでさらさらとした黒髪、黒目がちのすっとした綺麗な瞳、きゅっと結ばれた唇、女の子みたいな肌の白さ、すらっとした背、でもガリガリってわけじゃなくて……って田中くんの見た目はキリがないのでこれくらいにしといて。
今まで告白成功者0の難攻不落の男の子なんです。
「だから?」
「だから?じゃないよみよっちゃん!」
「そんなん今まで好きな女の子がおらんかったからやろ?」
「そっ、それはそうだろうけど…でも、」
今まで田中くんに告白した人を私は全員知っている。
別にストーカーしてたわけではなく!