【完】たばこ
前編~優越~
お昼休み残り10分。
授業が始まるまであと10分。
あなたはなにをする?


友達とおしゃべり?
トイレに行く?
よれてきたメイクのお直し?
ゲームでレベル上げ?
メールで彼氏とやり取り?
授業の予習?
時間まで睡眠?


そんなありきたりな10分。
私には似合わない。
みんなと同じとか。
そんなの私以外でよろしくって感じ。


みんなが教室へ戻っていく中。
私はひとり、屋上へと足を運ぶ。


重たいドアノブを勢い良く引けば。
柵にもたれかかってたばこを吸っているひとりの人物がいた。


「どうも。」


「ああ。」


この会話も恒例。
これがないと、私たちの時間は始まらない。


半年前、だろうか。
この時間が始まったのは。



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