【完】たばこ
後編~搾取~
日曜日。
時間ピッタリに待ち合わせ場所についた。
待ち合わせ場所にもう翼はきていて。
遠くから見ても絵になるくらい立ち姿が様になっていた。
Tシャツにハイウエストスキニー。
5cmヒールの黒いピンヒール。
クラッチバックにゴールドのアクセサリー。
片耳に髪をかけて。
口元は真っ赤なルージュ。
これが私が一番かわいく見える姿。
翼の横に並ぶんだもの。
手抜きなんかできない。
久しぶりに気合いを入れた姿に気分が向上する。
私を待っている間も翼はたばこをふかしていて。
その横顔は。
周りの女子を虜にしていた。
あんたたちみたいなのが翼に釣り合うわけないじゃない。
そんな身なりで横に立とうなんて。
恥知らずね。
「お待たせ。待った?」
「……いや。」
自信たっぷりな笑顔で翼に話しかける。
私の姿を見た女子たちは。
あからさまに落胆した顔でその場を足早に去っていった。