Dolphin Princess
それからだな。毎日、海で帰ってくるはずない両親の帰りを待ってた。

今でも、それが体に染み付いていて海によらないと、一日が終わらない。

それに気付いた時には、もう海の色や砂浜に色なんてなかった……………

あんなに海が好きだったのに。


なんであの日に限って迎えに行かなかったんだろう。
迎えに行ってたら、今が変わったかもしれないって、五年たった今も思ってる自分が嫌い。

悔やんでも悔やみ切れない。


―――――――
――――――

「なんで、いつも悲しい顔で海眺めてるの?」

私の顔に影ができた。
< 24 / 63 >

この作品をシェア

pagetop