【短】世界は君色に変わってく
こんなことを言うのは失礼かもしれないけれど…なんで先輩ほどの人が、彼女がいないんだろう?
いや、いたら、困るんだけど。
本当に、それだけは嫌だし、どこポジションとか言われても仕方ないけど…それだけは許せないんだけど…。
だってね?
高校生にしては、スラッとモデルみたいに長い手足。
スッと通った目鼻立ちは、どこか日本離れをしていて、もしかしてハーフ?!と思って千波先輩に探りを入れたら、それは私の妄想でしかなかったんだけど…そう思わざるを得ないくらい、どこもかしこも完璧だから。
その凛とした心地よい声も、にっこりと柔らかく微笑む顔も、少しだけ涼しさを含んだ瞳も…皆が絶対に放ってはおかないだろうに…彼女がいないだなんて…未だに信じられない。
私は、まだ騒いでる彩美を「HR始まるよ!」と言って黙らせて、そのまま自分の席に戻らせた。
ドキドキ
ドキドキ
鼓動が激しい。
こんなことって皆、感じてることなの??
先輩は、どうして…私にこんな手紙をくれたんだろう…。
聞いてみたいような、聞くのが怖いような…不思議な感情。