【短】世界は君色に変わってく
その袋の中を見ると、可愛い貝殻とレースのネックレスと、コバルトブルーに染められたサーフボード型の木の栞。
「わぁ…」
「どう?」
「素敵です!!え、2つも良いんですか?!」
「うん。どっちも神咲さんのこと考えながら買ったから」
「え…」
「ははっ。顔真っ赤」
しゅー…と先輩の言葉に赤くなる私に、先輩は優しくふんわりと笑った。
それから、少しだけ先輩は姿勢を正す。
こほん、と一つ咳払いをしてから、私を真っ直ぐ見て…一つ一つ、区切りながらこう言った。
「あのさ、神咲英華さん、俺…神咲さんが好きです。出来たら、俺と付き合ってくれませんか?」
ぺこり
突然頭を下げられて、私はぱちくりと瞬きをした。
言葉が理解出来ない…。
…………。
………………。
「…えええ?!」
「そこ、そんなに驚く?」
くすくす笑う先輩は、なんだか余裕たっぷりで、ちょっと悔しい。