【短】世界は君色に変わってく
「な、なんっ?!」
「アンナ、も良いけど。俺は、他の奴とは違う呼び方がしたいから。だから、あき」
真っ直ぐに見つめられてしまえば、もう身動きも取れないくらいに囚われて…。
消え入るような声で、私は「ううう…」と唸ることしか出来なかった。
恋って、不思議。
なんてこんなにジェットコースターに乗っているみたいに、急展開になるんだろう?
頭がちっとも追い付かない。
だけれど、彩美もはなも、勿論千波先輩も…。
そして、先輩親友のポンタ…あ、いやいや…本多先輩までも、なんでかこうなることを知ってたようで…。
口々に、「ほらぁ、だから、言ったじゃん!大丈夫だって!」と祝福をされた。
いや。
待って?
私、「大丈夫」とか言われてないんだけど?!
そんな疑問もすっかり祝福モードな皆の中で置いてけぼりを食らう。
だから、まだ夢を見ているんだと、私は自分の頬を抓った。
「いた、」
「…なにしてんの?あき?」
「なんでもないです!」