【短】世界は君色に変わってく

「文化祭実行委員会に、蓮沼くんの代わりにでてほしいの!!」

「…はぁ?」


蓮沼くんと言えば、クラスメイトの中でも目立つグループにいて、私の印象では…内面チャラ男ってとこだった。

うちの学園では、週一で服装検査がある。
違反があると、生活指導の先生にしこたま説教を受けるし、繰り返していると停学処分の対象になってしまうこともしばしばだ。


それくらい、校則の厳しいところではあるけれど、その厳しさを掻い潜って、ピアスを開けたり髪をカラーリングしたりしてる子もいた。


そんな中で、その蓮沼くんというのは外見は凄く優等生。指導も一度だって受けたことがないし、先生と対立し合うようなこともしてる噂を聞いたことはない。


だけど、クラスの中じゃ、それはとんでもない間違いで…男子校から共学になって、まだ5年と経っていないこの学園には、女子生徒が少ないせいもあり、彼に声を掛けられない女子は全クラス合わせてもいないくらいだった。


私の仲の良い男子たちは口を揃えてこう言った。


「蓮沼とは絶対に二人きりにならないように!」


女の子にだらしないのは、男の子だから仕方がないのかしれないけれど…。
彼は、人を平気で踏み台にしてしまう所が多々あった。


だからか、人の感情に敏いはなが彼を牽制ことは理解出来たけれど。

それと、委員会に変わりに出ろと言うのは…直結することなんだろうか?

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