【短】世界は君色に変わってく
「ねー?ポンタのどこがいいのー?」
「ポンタって呼ばないでよ!本多先輩は何処も素敵なの!」
私は、丸い眼鏡を掛けてぽやんとしている彼が、なんとなくたぬきに似ている気がしていて、彼女の前では常に「ポンタ」と呼んでからかっていたりするわけで。
…だって、本多とポンタで、ゴロもいいしね?
でも、やっぱり解せない。
別にポンタが居たって、蓮沼くんと一緒に行けばいいのに…。
そんな私の気持ちを察してか、はなは泣きそうな顔してこう言ってきた。
「だって、蓮沼くん、もう帰っちゃったんだもん!委員会には必ず二人で出るようにって言われてるのに…どうしよう…1人で行っても欠席しても、本多先輩に駄目な子だって思われちゃう…」
…あー…ほんと、はなには敵わない。
こんな可憐な女の子から涙ながらに訴えられては、首を縦に振るしかないじゃないか…。
「しょーがないなぁ…分かった。でも、私文化祭の実行委員が何するかとか知らないかんね?」
「ほんと?!やった!こんなことアンナにしか頼めないから、どうしようかなって…引き受けてくれてありがとう…うん。大丈夫!アンナはただその場にいて、頷いてくれてればいいから!!」
と、こんな訳で…委員会の打ち合わせに向かった訳なんだけど。
そこでは、予想外の事態が起こったんだ。