【短】世界は君色に変わってく
校内は四階建てで、上から一年二年三年、職員室と保健室などの教室となっている。
そして、何より目を引くのが、学園自体の構造が上から見ると内向きにカタカナの「コ」の形になっていて、中庭に面して廊下がある所。
都内にある為か、なるべく外の騒音から逃れるように、そんな作り方になっていた。
その3階…2年生フロアにある空き教室に、私たちはぞろぞろと集まった。
と、そこにポンタ…ならぬ本多先輩が大量の紙…多分配布する為の資料…を持って現れた。
芳恵は、サッと私の後ろに隠れてしまう。
「ちょ、はな?」
「む、無理無理無理無理」
「はぁー…」
瞳をぎゅっと瞑って、小さくバシバシと私の背中を叩くはなに、一つ溜息を吐いた。
そして、そんな私をジッと見つめてきたのが、他の誰でもない、直江先輩だった。
「はい。じゃー…一年生から順番に自己紹介していって」
ポンタが、何の気なしにそう言う。
だから、私は驚いてはなの顔を見た。
ちょっと!
まさか、此処で「代理で来ました」とか言える…わけない…じゃない??
と、はなに言いたくなるのを我慢して、黒板の方を向こうとすると、また直江先輩と瞳が合う。