クールなサイボーグ部長の素顔
浴室での夜と似たように散々啼かされ頂かれた私は、綺麗になったものの、気力も体力も使い果たしてぐったりとリビングのソファーに横になっている。

すると、頭に巻いてたタオルを取られて、体を起こされる。
首だけで振り返れば、課長の手にはドライヤーがある。
私のセミロングの髪はまだ湿っているのだ。
ソファーに腰掛けた課長は、私を課長の足の間に座らせて私の髪を乾かし始めた。

優しい手つきで髪を乾かしていく。
なんか慣れてないか?と訝しく思うと

「ほら、乾いたぞ」

そう言って
ドライヤーが済み、私の髪は乾いて落ち着いた。

「なんか、人の髪乾かすの慣れてません?」

思わず聞いた口調は少し拗ねたようになってしまった。
慌てて

「あ、何でもないです!気にしないで!」

そう言うと

「あぁ、慣れてるのは姉のところの姪っ子たちの世話をしてたからだろうな」

思い出したのかクスクスと笑いながら話してくれる。

「いまはもう中学生になるが。姪っ子たちが小さい頃はまだ、俺も実家に居たからな。実家に来てる時は世話を手伝ってたんだ」

そう言われて、なんだか納得した。

どうやら、この人、結構世話焼きみたいだし。
髪が終わると今度はご飯が運ばれてきた。
時間が微妙だからか、軽めのサンドイッチだ。
ツナときゅうりに卵とハムのサンドイッチ。
シンプルだけど美味しかった。
お腹も空いてたし。
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