クールなサイボーグ部長の素顔
お前は、私と仕事どっちが大事なの？っていうおバカ女子と一緒だったのか？！と愕然としたというね。

価値観の違いが一気に見えて、私自身も無理とは思ったが。

「仕事をせずにどう生活してけって言うのよ！良い大人が仕事せずに生活できるかって言うのよ！」

これに近くにいた後輩は

「伊月さん、荒れてるな」
「まぁ、聞いてるだけでその男は無いなとは同じ男でも思うけどな」

そう、つぶやく後輩男子達に

「そうでしょう！！あんたらもそんなアホみたいなこと言う奴になるんじゃないわよ！」

そう言ってビールジョッキをぐいっと傾ける。

もう、何杯飲んだのか分からない。
既に立派な迷惑極まりない酔っぱらいへと変貌を遂げている私。
段々と私の面倒になってきた絡みから、後輩達も離れていったので、またどんどんと一人で飲んでいく。

すると、隣に人が来たので顔を上げる。
そこには、来週から私の所属する営業部の部長に昇進する木島和臣が居た。

実は本日まで彼は私の所属する営業一課の課長であった。
しょっちゅう顔を合わせている間柄だが、彼とは仕事のやり取りしかしない。
とにかく、自分にも相手にも厳しい仕事人間で、表情の変わらない冷静沈着な様子からサイボーグ課長と影で呼ばれていた。
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