クールなサイボーグ部長の素顔
受付で説明を受け、貰ったエコーをきちんとしまい。
病院を後にして、自宅に戻る。

赤ちゃん、元気にお腹にいてくれた。
そっとお腹を撫でながら自然と顔には笑みが浮かんでくる。
あの力強い心音を聞いた私は何があってもこの子を産む決意をしていた。
和臣さんにも、話さないと。
週末にゆっくりあって話せるかな?
今和臣さんは出張中で不在。
戻るのは金曜日。
その日も直帰予定なので今週会社では会わないのだ。

とにかく、私はその日からこの命を守り無事に産むことを考えてあれこれと情報収集を始めた。

次の日の帰りには本屋により妊娠出産に関する本を買い、読んだ。
コーヒーもお茶もやめて麦茶やブレンド茶のノンカフェインを飲むようになった。

そうして仕事をしつつ、体を気にかけながら過ごすうちに週末がやってきた。

珍しく、私も内勤から外にお使いに出て帰ってきた。
すると、目の前には直帰だったはずの和臣さんが見えて声を掛けようとした時、見えた表情に驚いた。

「笑ってる…」

しかも、その先にいたのは綺麗で有名な村山さん。
彼女は秘書課でも有名な美人さんだ。
確か、和臣さんと同期。
村山さんもニコニコとしていて二人並んで話してる姿はお似合いだった。

何より、職場であんな表情見たこと無かったのに。
私はその事に酷くショックを受けた。
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