クールなサイボーグ部長の素顔
「だって、落ち着いて話せる自信ないもの…」

そう、俯きながら言えば

「木島部長と話してたのって誰?」

あ、そこ言ってなかったっけ。

「秘書課の村山さん。そういえば、部長と同期なんだよねぇ…」

と、ぼそっと言えば

「やだ!村山さん旧姓で働いてるけど、村山さんは小池専務の奥様よ!そして、小池専務と木島部長は従兄弟よ!」

そう言われて思わず目が点になる。

「そうなの?」
「そうなのよ!重役付き秘書達は知ってるけど。そうか、私たち世代は結婚後に入社だから知らなかったのね」

そう言われて、唖然としたのは言うまでもない。

「知らなかったよ。そっか、親戚なのね…。でも、あんな表情会社では見たこと無かったんだもん。特別に見えたんだもん…」

そういうと

「そっか。でもさ、今の千波はマタニティーブルーってやつなんじゃない?少しの事でも不安になったり悲しくなったりするらしいじゃない?それなんじゃないの?」

そう言われて、読んでたマタニティー雑誌の特集記事を思い出した。

「確かに、雑誌にもそんな事が記事になってたわ…。これがマタニティーブルーなのね。すごい情緒不安定過ぎる…」

思わず己を省みて言えば

「そんなもんなんじゃないの?自分の体の中で人が一人成長してくんだから色々あるんじゃない?ま、私も分かんないけど!」


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