クールなサイボーグ部長の素顔
お店を出ると、もう既に若い子達は二次会に移動していまっていた。
残ってたのは異動になる部長に二課の課長だった。
どちらも目上の方達だ。

「お疲れ様でした。お先に失礼します」

そう挨拶した。
ふわふわ、ゆらゆらとしながら。

「伊月、大丈夫か?お前帰れるのか?」

そう聞いてくれたのは紳士で愛妻家の部長。

「うるさくして済みませんでした。大丈夫ですよ!」

そう、にこやかに答えると

「部長、俺が送っていくので大丈夫ですよ」

サラっと言ってのける課長に

「木島がついてるなら安心だな。来週から頑張れよ、新部長」

そうして、木島さんの肩をポンと叩いて、二人は駅に向かっていった。

「伊月、俺は今日車だから送って行く」

そう言うと、居酒屋から会社に向かって戻り始めたので私も着いていく。

着いた会社の駐車場の中で、キーロックを解除されたのは白い国産のセダンタイプの車だ。

「ほら、乗って」

そう催促されて、腰を下ろした車のシートは革仕様。
乗り心地が今まで私が乗ってきた車と違いすぎてびっくりする。
内装に凝るとこんなになるのかと驚きは隠せなかった。
間違いなくこの車はハイグレードな仕様なんだろうと思った。

シートベルトを締めて、落ち着いた頃

「伊月、お前色々溜まってるな?飲んでスッキリしたのか?」

そう聞いてきた木島課長に

「いえ、全然!」

力強く答えた。
< 4 / 72 >

この作品をシェア

pagetop