クールなサイボーグ部長の素顔

Side 和臣

一週間の出張から戻ってきた。
先週からその準備で彼女に会えないまま出張に行き、一週間会えなかった。
今週は一日がとても長く感じた。

彼女に積極的に行動する様になってから、こんなに会わないでいたのは初めてだった。

直帰の予定にしていた金曜日、必要に迫られ一つ早い新幹線で帰った俺は会社に行った。
そこで、ばったり従兄弟の嫁であり、同期でもある村山みどりに会った。

みどりは俺の千波への片想いにいち早く気付いていたので、その後何年も想い続けていた俺がどうなったのか、社内の噂を聞いて気になって仕方なかったようだ。

出張から帰って早々に捕まり、千波の話をした。
最近千波はやっと俺と二人の時は名前で呼んで、敬語もなくなって、普通に話してくれるようになってきた。
それを思い返せば自然と顔の表情は緩むものだ。

まさか、この村山とのやり取りを見た千波が誤解したことにより一波乱起きるとは夢にも思わなかった。

終業後に今日こそ会いに行こうと思っていたら、定時すぐで退勤したようで顔を見て話すことが出来なかった。
金曜日だし、一緒に食事にでも行こうと思っていたのだが。
この週末は忙しい仕事も終えたので、ちゃんと休める。
千波とどこかに出かけたいな。
都合が良いか聞こう。
思い立ってメールするものの、メッセージは既読にならない。
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