クールなサイボーグ部長の素顔
そうして美咲の家の場所を伝えれば三十分で来ると言うので私も洗面台を借りて外に出られるように準備をする。

そうして電話から三十分で本当に迎えに来た。
オートロックのインターホンが鳴る。

「部長、今開けますから。どうぞ」

そうして少しあとに部屋のチャイムの音がして美咲と一緒に玄関に向かった。

「部長、お預かりしてた千波は返しますからね」

そう、美咲がアッサリと言う。
俯いてた顔を上げるとそこにはいつもと違う和臣さん。
少し疲れた顔と、目の下のクマ。
そして、セットもして無い崩れた髪型。
どれをとってもらしくない姿だ。

「あぁ、ありがとう。千波、とりあえず俺の家に来てくれないか?ちゃんと話したいんだ」

そう、真剣な表情をした和臣さんに言われて私も頷いた。

「はい。私も話さなきゃいけない事があるので…」

そう言った私の顔は、いつに無く固い表情になっていただろう。
そんな私を見て、和臣さんは少し痛そうな顔をした。

「荷物はこれだけか?」
「はい、自分で持ちます」
「いや、千波は手荷物の鞄だけ持てばいいから」

そう言うと、和臣さんは美咲に向き合って

「大口さん、ありがとう。千波とはしっかり話すし、ちゃんとするから」
「ふふ、しっかりお願いしますよ?千波は私の大切な親友なので」
「あぁ、もちろんだ」

そんな会話がなされたあと、私は美咲の部屋をあとにして和臣さんの車に乗り、和臣さんの部屋に向かった。
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