クールなサイボーグ部長の素顔
「伊月は山野辺さんの予想通りの状態なので、仕事の負担軽減と、定時退社出来るようにお願いしますね?」

そうにこやかに告げる部長に、みんなは何の話だ?と興味津々だ。

「分かりました。しっかりとしたご報告はいつなんです?」

とサックリ聞いてくる山野辺さんに

「来週明けには皆にきちんと報告しますよ。それまでは内緒でお願いしますね?」

「まぁ、察しがいいのはこれで気づきますよ?」

とニヤッと返す山野辺さんに

「牽制も含んでるんだから良いんですよ」

そうクスッと笑う和臣さん。
職場でなかなか見ないレアな笑顔に再びどよめく営業部。

「さ、そろそろ始業ですよ?皆さん仕事して下さいね?」

そう笑顔で言葉を残して颯爽と自分のスペースに引っ込んだ和臣さん。
こら、私にどうしろって言うんだ!と思いながらも自席でパソコンを立ち上げて、私も仕事を始めた。

昼休憩、山野辺さんと社食に行くと美咲も来ていて三人で席について食べる。

「今日はどう?秘書課にまでいろんな話が飛んできてるけど?聞きたい?」

ニヤニヤとする美咲に

「やだ!大口さんそれ私が聞くわ!」

同じくニヤニヤする山野辺さん。

この二人は似たもの同士。
止められるわけが無い。
私はため息を吐きつつ自分の食事を黙々と食べる事にした。
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