クールなサイボーグ部長の素顔
「ちゃんと食べましたよ。そんなに心配しなくても大丈夫ですから」

そう、苦笑で返せば

「そうだったな。後で飲み物買っていくけど何がいい?」

そう聞かれて

「お茶切れそうだから、ブレンド系か麦茶かな」

すんなりと答えてお願いする私に、総務のお姉様達は目を丸くしてこの成り行きを見ていた。

「山野辺さん、一緒に戻って下さいね?千波をよろしくお願いします」

そう山野辺さんに頭を下げる和臣さん。

「もちろんよ、私は経験者だもの。相談にものるし、フォローもするから任せなさい」

とニッコリ返す山野辺さん。

「え、もしかして…」

そう、呟く総務のお姉様達。

「千波は今身体が大事な時期なので、どうか負担をかけないでくださいね?」

そう、向き直って言った和臣さんの顔は私に向ける穏やかな顔とは違い、とても冷ややかだった。
態度からして迷惑してると言ってるものだった。
まぁ、確かに迷惑。
和臣さんはまだお昼ご飯も食べていないのだから。

「はい…。すみませんが、お先に失礼します」

そうして、お姉様軍団はそそくさと退散した。
私の時より正確にしっかりと聞けたからか、悔しそうにしつつも撤退していったのだった。

「千波、無理するなよ?何かあればすぐに俺に言えよ?」

そう告げてくるのは心配性なのを隠さない和臣さんだ。
< 61 / 72 >

この作品をシェア

pagetop