クールなサイボーグ部長の素顔
「大丈夫ですよ、ちゃんと相談しますからね!」

そう言って私は小池専務にも頭を下げて山野辺さんと、営業部へと戻ったのだった。

午後の始業前、デスクでメールチェックをしていた私に

「千波、お茶これでいいか?」

置いてくれたボトルを確認すると、昨日も飲んでいたお茶を買ってきてくれていた。

「うん、大丈夫。ありがとう」

そうニコッと返事をすると

「無理するなよ?俺も定時で仕事終わらせるから一緒に帰るからな?」
「はい、分かりました」

そうして、和臣さんは自分の部屋に戻り仕事を始め、私も仕事をする。

周りの音は気にせず黙々と仕事をこなした。

そうして、定時まであと五分という頃。
私も今日やるべき仕事を終わらせて、片付けたりし始めた頃に営業部の入口付近が騒がしくなる。

そちらに目をやると、営業部に入って来るのは何と社長。
その後ろについてるのは社長秘書補佐の美咲だ。

社長が顔を出したのを見て、部長の和臣さんも出てきた。

「社長、どうされました?」

そう、和臣さんが聞くと

「いや、社内の噂を聞いたらお前とその彼女を見たいと思ってな」

どうやら社長が訪ねてきたのはすっごいプライベートな件らしい。
そうと分かればほかの社員はさっさと仕事に戻った。

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