クールなサイボーグ部長の素顔

「それでね、アイツなんて言ったと思いましゅ？千波は、仕事があればいいんらろ？俺より仕事だもんな？れすよ！？社会人なんて仕事してなんぼれしょ？生きてけないんだかりゃ。仕事楽しかったしお客様ありきらから仕事優先してたけりょ。彼氏との事だって大切にしてたのにぃ。挙句にお前は俺を頼らないよな？俺に甘えてくれる可愛い子が居てその子を好きにらった、らから別れてくれ！れすよ！！ほんとやってらんにゃい！」

ワーッとガラステーブルに突っ伏してしまう。
もう、ぐでんぐでんの酔っぱらいだ。

「自立してる女はカッコイイとか言ってらし、俺に頼んなよみたいにゃ空気出てらから甘えりゃんなかったらけらのにぃ。私らってホントは甘えたいのにぃ…」

そう、ポツリと呟く目線の先にはスパークリングワインの入ったシャンパングラス。

泡越しに見える夜景はキラキラとして輝いてる。
でも、私の心は曇りどころか大雨。

「ふん、そんな器量のない奴とよく付き合ったな。お前は男を見る目がないんじゃないか？」

その言葉がグサッと刺さる。
私は何故か学生時代から付き合う男の系統は甘えたがるタイプの人ばかり。
割とハキハキしてる自分には合うと思ってたけど、段々と世話を焼くのも甘やかすのも疲れるし、それが疎かになれば相手は何故か、次は可愛らしく甘えてくるタイプの女の子を見つけて別れを告げてくる。
そんなのの繰り返しだった。