クールなサイボーグ部長の素顔
「男を見る目が無いのは、今回でハッキリしたので、もう私は仕事に生きりゅの!バリッバリに仕事しゅゆの!」

泣いて、怒って、くだ巻いて。
はっきり言って相当面倒な酔っぱらいと化した私。
なのに、そんな私を見つめる課長は何故か優しい顔をしてる。

「ありぇ?課長がやしゃしい顔してゆ?何れ?」

コテンと首を傾げれば

「色々素直に喋ってる千波が、可愛くて仕方ないからだな」

そう言うと髪を優しく耳にかけて、優しく頬を撫でてくれる。
お酒で火照った頬に少し冷たい指先が心地好くて目を細める。

「もう少しか?それとももう甘えてきてるか?お前はもっと近くをよく見た方が良いな。こんなにもお前を可愛がってドロッドロに甘やかしてやれる男が目の前に居るんだから」

そんな言葉を傾ける課長は、私を甘く見つめてる。
その目には欲が宿ってる。
男の顔だ。

「可愛げがにゃいのは、わかってるもん!課長らって私にゃんてすぐ嫌ににゃるのよ!」

もう、やさぐれ具合は半端なかった。
素直に言葉が入ってこない程。

「すっかりへそ曲げた猫だな」

クスクスと笑いながら、ウィスキーのロックを飲みつつ私の髪を撫で続ける課長は、サイボーグと言われる仕事での顔とは全然違う様子を見せてる。

しかし、その様子に違和感を持てない酔っぱらいの私はそのままガッツリ地雷を踏み抜いた。
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