初恋の物語

（明石創太）

振られてから一日過ぎたが俺は立ち直れないでいた。

高校に入って学校でイベントがある日では初めていつもとは違う電車に乗った。

「はぁ、死にたい」
昨日からこの言葉を何度言っただろか。

「おまえの恋はもう終わったんだよ。いい加減諦めろ」
翼の言葉におれは昨日から何度目かもわからなくなったため息をついた。

授業中は昨日の告白を思い出して全く内容が頭に入ってこなかった。

おかげで一日が過ぎるのがとても早く感じた。

帰りのチャイムが鳴ると俺は鞄を持ち翼と一緒に教室をでた。

靴を履き替え校門に向かっていると、校門のあたりで人だかりができていた。

「なにかあったのか？」
俺が先に教室を出ていたクラスメイトに尋ねると、
「校門に女の子が二人いるんだよ、それも白凛女子高校の子」
まさかと思い、人をかき分け前に出てみるとそこには彼女がいた。

「おい翼、あの子だ。俺が告白した電車の子」

「冗談だろ？ 見間違いじゃないのか？」
翼はそんなはずないだろ。

とでも言いたげな顔をした。

「俺が見間違えるわけないろ。二年間毎朝あの子を見てきたんだぞ」
言い返したと同時に彼女と目があった。

彼女は俺に指をさして、
「あなた、そこのあなたに話があるの」
と言った。

その瞬間周囲の目が一斉に俺の方を向いた。

昨日から注目されてばかりだ。

彼女にはまるで今から喧嘩でもするようなそんな威圧感があり、とっさに「はい！」と答えてしまい、後に引くことができなくなってしまった。
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