ー 君の落とし物は空へ続いてる ー
「歩夢…………」



私は、歩夢を見つめた。


そして小さな歩を見つめた。



「歩…………ごめんね、ごめんね」



私は、小さな歩をダッコした。


私だけの気持ちだけで、逝きそうになる自分を呪いたくなる。


私の肩に置かれた手が、不意に私を抱き締めた。




「大丈夫だよ、歩夢。


椎名には、俺がいる」



「任せましたよ、先輩」



愛しい君が、笑う。


「私、もう少しだけ、生きて見る」



そしてーーー



私の治療が始まった。。


< 73 / 85 >

この作品をシェア

pagetop